症例報告

一般外傷(けが)

62歳 女性 腰部・背部の痛み

<初診>

平成26年3月18日

<データ>

62歳 女性 2月18日整形外科を受診
レントゲンで異常ない為、筋膜性の腰痛と診断(患者さん報告)
1ヶ月経っても痛みが軽減しない為紹介にて当院を来院された。
主訴:腰部・背部の痛み
リスクファクター:特になし

①いつ:2月16日頃から
②どの部位が:背中から腰にかけて
③どのような状況で:ズボンをはこうとした際に足が変な角度になり
④どの程度:かなり強い痛み
⑤症状の性状:起床時、起き上がろうとした時に痛みが強い
⑥増悪因子と緩解因子:動作時に増悪・安静時に緩解
⑦随伴症状の有無:不眠

<既往歴>

特になし

<臨床所見>

・歩行可能
・腰部動作時(座位・立位)
屈曲(+),伸展(+),左回旋(-),右回旋(+)
・棘突起叩打時痛(-)

62歳で1ヶ月以上腰痛が続いている為、骨粗しょう症による圧迫骨折と内臓からの関連時痛・腫瘍を疑ったが問診ではいずれも異常がないと話された。(患者さん訴え)しかし、起床時痛がかなり著明であるとのことで単なる筋筋膜性の腰痛とは考えにくい。右側臥位になってもらい股関節の可動域を確認。可動域制限を認めた為、下肢からの影響かと推測もしたが、ベットから起き上がってもらうと、痛みの為起き上がれない。(激痛)1分以上続いた。単なる筋膜性の腰痛とは考えにくい為もう一度整形外科受診を促した。(紹介)

<治療方針>

整形外科での画像診断後判断。
結果:胸椎12番の圧迫骨折と診断された。

<考察>

腰椎圧迫骨折は骨粗しょう症が背景にあり、しりもち,重い荷物を持ち上げたなどの外力が加わることにより発症する事が殆どである。今回のケースでは外力が加わったケースはなく、骨粗しょう症はないと訴え、また一度整形外科にて診断を受けているなどの報告があり、圧迫骨折の疑いはかなり低かった。長期化する腰部の痛みに関しては単なる筋膜性の腰痛だと判断せず問診・検査をしっかり行う必要があると思った。

現在患者さんは整形外科での指導のもと安静されているとのことです。

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