症例報告

一般外傷(けが)

89歳 女性 右肘と右脇腹の打撲による痛み

<症例>

  • 性別:女性
  • 年齢:89歳
  • 主訴:右肘と右脇腹の打撲による痛み
  • 現症:
    • 3/23来院。3/21に駅のホームで駆け込んできた人と接触して転倒。右腕に乗りかかるように倒れこんだ。右肘と右脇腹に痛みが出現。病院受診なし。
  • 所見:
    • 右肘の屈曲と伸展は正常に動く。動作時痛みあり。内出血班あり。やや腫脹を認める。
    • 右脇腹は安静時や呼吸時の痛みはない。動作時痛あり。第6、第7肋間に圧痛著明。
    • 内出血班なし。腫脹なし。叩打痛なし。しびれや感覚等の神経所見異常なし。
  • 評価:
    転倒時に右肘を強打しそこに体が乗りかかったことで右脇腹が肘で圧迫され痛みが出たと思われる。
  • 施術:
    右肘打撲部位と右脇腹圧痛部位に灸を施行。
    血液を送り込み組織の回復、痛みの軽減を促す。

<経過>

▼初回(3月23日)

  • 受傷後2日目なので痛みは今より強くなる可能性があることを説明。施術後大きな変化はない。

▼2回目(3月25日)

  • 予想通り痛みは増強。筋肉痛様の痛みが全身にある。同様の施術に加え、背腰部を手技で軽擦。

▼3回目(4月6日)

  • 少し間が空いたが経過はいい様子。右肘の内出血はほぼ消失。痛みはまだ残っている。

▼4回目(4月10日)

  • 右肘の痛みはずいぶん楽になる。右脇腹も痛みは軽減している。

▼5~7回目(4月13日~4月24日)

  • 経過はよく7回目ではほとんど痛みはなくなった。

<考察と感想>

高齢で転倒と聞き、上肢や肋骨あるいは圧迫骨折などを心配したが動作や関節の動き、疼痛(安静時痛など)がないことで骨折は除外できると考え、打撲による痛みと判断し受傷部位へ血流を促し組織の回復と痛みの緩和を目的に施術を行った。結果として7回(約1か月)でほとんど症状が治まった。

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