87代 女性 睡眠の質の低下に伴う日常生活動作の低下
<主訴>
睡眠の質の低下に伴う日常生活動作の低下
<現症>
睡眠状態の変化で会話の受け答えや、反応、歩行などが不安定になる。また、脚に力が入りにくく不安定な状態のため、転倒も頻繁に起こしている。近々では、令和3年1月に右鎖骨を骨折した。現在は回復しているが鎖骨周囲や、その他筋肉の運動量が落ちているため、体力が低下していると思われる。
施術の目的は、睡眠の質の向上と、転倒予防を目的に行う。
<関節可動域チェック>
・肩関節、胸椎の動き低下。円背のため姿勢前傾。股関節の動き低下。特に右股関節の動きが悪い。開排動作、外転低下。
・膝関節の屈曲動作は左右ともスムーズだが、変形性膝関節症で両膝人工関節が入っているため、過度な運動の介入は控える。
・足関節も右足の動きが悪い。
<歩行姿勢>
・立位での姿勢のバランスが悪く、今にでも転倒しそうな状態。
・歩行時の動作開始が不安定。歩幅が狭く、重心が前にある状態。
<施術内容>
・全身の気の巡りを促す目的で、合谷・太衝に置鍼。
・腎経の疎通・強化を狙い、復溜・太谿に温灸1壮。
・中脘、気海、関元に温灸1壮。(腸の活動向上、脳の活性化(腸脳相関)、免疫力UP)
・鍼灸施術後に、足関節・膝関節・股関節の関節可動域、筋力維持を目的に動きを加える。
・座位で胸椎、肩甲骨の動き(姿勢をOPENにする目的)を加える。
<経過>
・現在も眠剤(導入剤)を服用しているが、睡眠は安定している。平均6~7時間
・姿勢、可動域、歩行は大きな変化はない。
<考察>
睡眠の質が低下することで、精神状態や運動機能・反射の低下や腸内活動の低下が現れていると考え、鍼灸施術で気血の循環を改善することで体の働き・動きをスムーズに行えるような状態を作ることで、腸内活動が向上、安定した睡眠の確保、運動機能の向上が期待できると考える。
現在も施術は継続中。
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