症例報告

慢性疾患

男性 左膝内側部痛

<主訴>

左膝内側部痛

<原因>

2020年5月の連休中ゴルフが続き、徐々に左の膝内側部に痛みを感じるようになる。
特にラウンド中に膝に痛みを覚えるような直接的な原因は不明とのこと。

<現症>

あぐらや正座など膝を深く曲げる動作で痛みがある。歩行時は気にならない。
陽臀部~下肢の筋肉の疲労感あり。全体的に柔軟性に乏しい。

<検査>

安静時疼痛(-) 熱感(-) 腫脹(-) 内反強制(-)アプレー(-) マクマレー(-)
膝関節の動作時痛 屈曲時(+)鵞足部手前(膝関節横紋付近)に痛み
あぐらや正座をすると痛みがある

<施術>

縫工筋・薄筋を狙い置鍼、鍼通電を行い、単刺で下肢の筋肉を緩める。
施術後はやや痛みは軽減する。翌日ゴルフに行く予定とのことなので次回経過を確認。

1週間後に来院、ゴルフのラウンド中はロキソニンを飲んでいたので、痛みは感じず。
薬の効果が切れると膝屈曲動作は痛みがある。
施術は前回同様に行う。

週一回の施術を継続して行い、一か月後には膝屈曲時の痛みは大幅に軽減するが、3割程度の痛みが残っているとのこと。
しばらく週一回施術を継続し3か月後には9割ほど痛みは軽減するが最大屈曲時の痛みは残っている。

まだ臀部の筋肉の緊張が強いため、単刺で臀部の筋を緩める施術を追加。するとこれが効果的で膝屈曲動作時の痛みが、ほとんどなくなったとのこと。ゴルフも毎週プレーしているが、痛み止めを使用せずに行えており、プレー後に痛みもほぼないとのこと。
現在も継続して、施術を行っている。

<考察>

膝関節周囲の筋肉(縫工筋・薄筋)の滑走を意識した施術を行っていたが、ある程度までの痛みを押さえることが出来ても、残りの10~20%の痛みがなかなか改善されなかったが、臀部の筋肉のアプローチを加えてからの痛みの軽減速度がアップした。
臀部の筋肉の緊張が緩和されたことで股関節の柔軟性がアップしたため、股関節周囲に起始する下肢の筋肉の
循環や滑走が滑らかになった結果、膝関節内側部の痛みの軽減に関連したのではないかと考える。

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