61歳 女性 左右膝の痛みと腰痛の痛みが鍼灸治療で緩解した症例
<患者>
61代 女性
<主訴>
左右膝の痛みと腰痛
<現症>
- 膝の痛み(R<L) 4年前(2019年)に変形性膝関節症と診断。
- 歩行など動作時や動作開始時に膝関節の内側に痛みがある。安静時は痛みなし。
- 腰痛は、出産後から慢性的にあるとのこと。数日前から痛みが強くなる。
<検査>
- 腰部:後屈・左回旋時に痛みがある。座位では骨盤後傾位で背部が丸く姿勢が悪い。
- 下肢へのしびれはなし。
- 膝:左右変形性膝関節症。仰臥位にて膝が伸び切らない(左膝窩指2本分)。
- うつ伏せで膝屈曲時、左膝内側部に痛み。水腫、熱感、腫脹は認めず。
- 背腰部、股関節周囲の筋緊張が強く可動域が狭くなっている。
<評価>
変形性膝関節症からくる痛みも少なからずあると思うが、それよりも今回の痛みは周辺筋の滑走不具合による痛み。
<施術>
腰痛・膝痛に対する緊張緩和と血流改善を目的とする。
腰部に置鍼(腎兪・志室・大腸兪・腰眼)
鍼施術後、背腰部~臀部、下肢前後面の筋・筋膜の滑走向上を狙う。
<経過>
▼初回(R5/8/25)
- 施術後:腰部の痛みは大幅軽減し、膝の痛みも軽減し、方向も楽になる。
2回目(R5/8/29)
- 前回施術後2日程調子は良かったが、それ以降少し痛みが戻った様子。
前回と同様に施術を行った。施術後は楽になる。
<考察>
腰痛は、3人のお子さんの出産後からということで慢性的である。自宅でもソファーに座っているということで、骨盤の後傾と、背腰部の筋緊張を助長している。また、娘さんのご出産に伴い約2か月大阪に来られているということから、生活環境の変化による肉体的、精神的ストレスも痛みの増強に関係していると考える。また、膝に関しては、変形があるため膝周辺筋の緊張が著明にあり、筋の滑走が良くなると痛みが軽減することから、関節周辺の筋の可動性の低下による痛みではないかと考える。体型もふくよかであり、膝にかかるストレスも大きいため、体重コントロールや筋力強化の必要性もある。お住まいが遠いため、継続した施術は困難なため、地元の医療機関や整骨院での継続した施術を勧めた。
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