症例報告

スポーツ外傷・障害

16歳 野球部 男性 左腸腰筋の肉離れ

<主訴>

左腸腰筋の肉離れ

<原因>

某私立高校野球部に所属しており、セカンドのポジションで内野ノックを受けていた。
自身の左側への早い打球を捕球しようとしたときに左股関節に痛みが出現。
翌日(6/18)に総合病院に受診し、X-P撮影。腸腰筋肉離れの疑いがあるため翌日にMRI撮影。その結果、腸腰筋肉離れと診断される。練習はしばらく不可とし、7/12に受診し練習再開の可否が決定するとのこと。

<現症>

7/5(月)に当院に来院。来院時は股関節の痛みは大幅に軽減していたが、左鼠径部の少し下方部分で圧痛・動作時痛がある。腫脹・熱感はない。
トーマステストでやや詰まるような痛み。左下肢挙上で重さを感じる。
左腰部の緊張が強い。反り腰。
練習はインナーマッスル強化のみ行っている状態。(7/12以降に練習参加が決まる)

<施術>

仰臥位で左腸腰筋にパルス鍼 1Hz×15分
伏臥位で腰方形筋と殿筋にパルス鍼 1Hz×15分
→施術後は足の軽さ、鼠径部の詰まり感・痛みは軽減が得られた。

◆1回目(7月5日(月))に当院に来院。


◆2回目(7月19日(月))3回目(10月23日)
7/12(月)に病院受診し、野球部OBの整骨院でチェックしてもらいOKが出れば練習再開していいよと言われたが、監督は当院で診てもらえばいいと言われたため来院。
痛みはほとんどなく練習はアップのみ参加している。
トーマステストで痛みはないが詰まり感、左下肢の重みは前回と同様に感じる。
施術は前回と同様に行う。
体幹が不安定なため、インナーマッスル(腸腰筋)のトレーニングを継続して行い、強化を狙う。8月以降の新チームに合わせて練習参加を促し、練習量は少しずつ上げていくように伝える。

<考察>

高校に進学し、練習量も急激に増え、寮生活ということもあって、なかなか体へのケアが行き届いていない中での受傷。前後の筋バランスが悪く、背筋が強く反り腰であるため、腸腰筋にストレスがかかっていたと考える。また体幹が思ったより不安定だったこと、入部から約3か月ということもあって疲労はかなり蓄積されていたところも関連していたと思われる。
今後の怪我の再発やパフォーマンス向上のことを考えると、前後の筋バランスを整える必要があるため、インナーマッスル(腸腰筋)の強化を促す。

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