12歳 男子 オスグッドシュラッター病に対して体幹へのアプローチが効果的だった症例
<初診>
2022.9.5
12歳 男子
<主訴>
右膝の痛み
<病歴>
2022年8月25日頃から右膝に違和感が生じ、9月に入り学校で体育の時間に幅跳びをした際(着地時)に右膝に痛みが出現した。
<所見>
- 右脛骨粗面に圧痛
- 外見上、脛骨粗面が隆起
- しゃがみこみ動作で疼痛
- 非荷重で膝屈曲痛みなし
- 片脚立位(右:安定・左:不安定)
骨盤左にシフトし、右骨盤下垂
<評価>
年齢と発症原因、疼痛部位からして、成長期によるオスグッドシュラッター病と推測した。右側のみ発症した原因は身体の使い方によるものだと判断。脛骨粗面への手技を行うが、身体の使い方、片脚立位の左右差を変えることにより、症状が緩和すると見込んだ。
<治療>
- 脛骨粗面周囲の皮膚の滑走
- 片脚立位時に感覚入力
- 体幹を使った右骨盤挙上
- 左足底から右背部への力の伝達
- 右背部から左足底への力の出力
<経過>
◆2回目(9月6日)
脛骨粗面の圧痛あり、しゃがみこみ動作でP
片脚立位で不安定
◆3回目(9月8日)
脛骨粗面の痛みあり。片脚立位で安定
◆7回目(9月26日)
片脚立位で安定
脛骨粗面圧痛消失。しゃがみこみ動作でのP消失
<考察>
オスグッドシュラッター病は成長期の男子に多く発症する。大腿四頭筋や前脛骨筋に遠心性収縮がかかり筋肉の張力により脛骨粗面にストレスがかかるとリュウは示唆している。本症例では、筋の張力がなぜ出ているのかを考えた。片脚立位時に右骨盤が下垂するため、ヒールコンタクト、ローディングレスポンス期に衝撃が膝にかかるため、歩行時(荷重時)に右骨盤下垂が起こらないよう、左片脚立位の安定を高めことによって、上記の症状が緩和するのではないかと推察した。体幹に刺激を入れることによって立位バランスが変化し、結果的に症状が緩和したのではないかと思われる。
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