症例報告

一般外傷(けが)

66歳 女性 左股関節の痛みに対して骨盤ローテーションと大腿骨回旋を考えアプローチした症例

<症例>

  • 初診:2022.10.27
  • 患者:66歳 女性
  • 主訴:左股関節の痛み
  • 歴:2022年9月27日ごろから左股関節に痛みが出現。お仕事などで1万歩歩くことがありそのせいかな?と思っている。
    2022年10月初旬に市民病院を受診。MRIを撮影。骨には異常がなく水かたまっていると診断される。その後痛み止めで様子を見ていたが軽減されないので、知人の紹介で来院となる。

<既往歴>

  • 2016年 前腕骨骨折 (右→左)
    2020年 穿孔性虫垂炎 OP

<所見>

  • PS:7/10
  • 歩行時左股関節前面に疼痛
  • 座位から立位時に左股関節に疼痛
  • 歩幅が狭い(10m 20歩)
  • 姿勢:背部が凸・腰部過前腕
  • 歩行:左下肢荷重・右寛骨下垂・右回旋
  • 下肢挙上:右(1)左(3)
    ※自動運動でP 下垂時にP
  • 他動での股関節屈曲でP(-)
  • 骨盤ローテーション 右回旋
  • 伝導:左下肢伝わりにくい

<評価>

  • 画像診断・他動運動での疼痛が出ないことは、変形性の股関節症は除外しやすい。
    仰臥位で下肢挙上で大腿四頭筋腱に疼痛を訴えたため、骨盤のローテーションと大腿骨外旋によるアライメント異常が主な原因と判断する。

<治療>

  • よって股関節の捻転を改善する施術を行う。

<治療のゴール>

  • 歩行時、動作開始時に疼痛が消失するか軽減したら治療を終える。

<治療>

  • 骨盤の右回旋に対する施術
  • 大腿骨外旋に対する施術
  • 左下肢荷重の改善
  • 上半身と下半身の連動

<経過>

▼10月27日
1回目:疼痛軽減と下肢挙上の改善

  • 伝導の伝わりにくい場所を把握
  • 他動での動きで疼痛が出ないことを確認
  • 下肢挙上時に左下肢の重さを確認
    ※脊柱の振動と大転子の震度で上記の改善が出現

▼2回目(10月28日)

  • S:PS7→4 痛みが随分楽になった
    寝返りの時に痛みが出る
  • O:下肢挙上 ややPあり・伝導が伝わりやすくなっている
  • A:疼痛が改善されているの同じ施術でも構わないと判断
  • P:骨盤のローテーションと大腿骨外旋改善
  • 施術:骨盤のローテーション改善テクニック
    ①伏臥位でブロック10分
    ②手技でオシレーション
  • 治療後:歩行時の痛みがない

▼3回目(10月29日)

  • S:VAS10→2 犬の散歩中に
  • O:下肢挙上やや痛みが出る
  • A:体幹の回旋時どちらがわで痛みが出るのかで施術を変える(次回確認)
  • P:骨盤のローテーションを整える
  • 施術:骨盤のローテーションの改善とオシレーション

<考察と感想>

60代の女性に股関節の疼痛が多くで始める。その多くに内臓の問題も絡んでいると思われる。
今回のケースは骨盤が右にローテーションしやすく、代償として大腿骨の外旋が強くなり、筋バランスが乱れたのではないかと推察。
ローテーションが起こる原因として2年前の虫垂炎のOPの影響があるのではと考えている。左股関節の負荷を軽減することにより、疼痛が改善している(現在進行形)である。
今後も経過観察をしていきたい。

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