症例報告

一般外傷(けが)

46歳 女性 腰部の痛みに対して下肢の伝導と骨盤の回旋にアプローチした症例

<症例>

  • 初診:2022.10.29
  • 患者:46歳 女性
  • 主訴:腰の痛み
  • 病歴:2022年10月28日 自宅で荷物を持ち上げた際に腰部に痛みが出現した。
    知人の紹介で来院
  • 既往歴:特になし
  • 所見
    • PS:8/10
    • 歩行時右股関節に荷重がかかる
    • 座位右臀部に荷重がかかる
    • 前屈 上半身が右側に倒れる
    • 回内回外テスト 左緩慢
    • 下肢挙上:右(3) 左(1)
    • 骨盤: 左回旋
    • 伝導:右下肢伝わりにくい
  • その他
    寝不足が続いた
  • 評価
    右下肢から上半身への力の伝達が伝わりにくく、出力も低下。
    歩行時に臀部が右にスラストし左回旋が強く出現しているため腰仙関節で問題が発生していると判断。
  • 治療
    よって右下肢からの伝導と過荷重・骨盤の回旋を行い症状改善を狙う
  • 治療のゴール
    歩行時、動作開始時に疼痛が消失するか軽減したら治療を終える

<治療>

  • 骨盤左回旋に対する施術
  • 右下肢荷重の改善
  • 上半身と下半身の連動

<経過>

▼1回目(10月29日)疼痛軽減と下肢挙上の改善

  • 伝導の伝わりにくい場所を把握
  • 他動での動きで疼痛が出ないことを確認
  • 下肢挙上時に左下肢の重さを確認
    ※右下肢挙上がスムーズに行えるようになる。
    ※就寝を早めるように指導

▼2回目(10月31日)

  • S:PS3 前かがみで少し痛みが残存。早く寝るようにした。
  • O:下肢挙上 ややPあり・伝導が伝わりやすくなっている
  • A:疼痛が改善されているの同じ施術でも構わないと判断
  • P:右下肢荷重の改善
    施術:上半身と下半身の連動
    対側側の脊柱起立筋の施術
    座位にて胸椎の回旋 回旋側に荷重
  • 治療後:歩行時の痛みがない

▼3回目(11月4日)

  • S:PS 0
  • O:下肢挙上 左右差なし
  • A:下肢挙上の改善と疼痛の改善があっため治癒とする
  • P:定期的なメンテナンス

<考察と感想>

①構造的な問題:骨盤の回旋、骨盤右下垂
②機能的な問題:下肢挙上時の左右差、右下肢過荷重
③生活背景:仕事のストレスと寝不足

3つの要因が重なり出てきた痛みと推測し施術。今回の症例では普段行なっている動作で痛みが出現したので、構造と機能的な問題に筋肉が正常に働かない理由があった可能性がある。骨盤の回旋を整えることにより、下肢の伝導が改善。下肢挙上の左右差が軽減した。脊柱の可動を行い上半身下半身の連動をつけることにより、より下肢の動きの改善が見られた。下肢挙上チェックは機能的な問題を評価するのに有効だと思われた。
その他、仕事のストレスや寝不足が続くと副腎疲労が発生し正常な筋肉の出力が出なかったのではと思われる。よって構造的と機能的な問題にアプローチするだけでなく、ストレスに対する対応も指導が必要と思われた。痛みが強い場合は睡眠を取る必要性を感じた症例であった。

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