助産師さんから聞いた、現代の産前産後トラブル事情

先日、助産師さんを対象に行った勉強会で、こんな質問を投げかけてみました。

「最近、産前産後で見られるトラブルには、どのようなものがありますか?」

以下、助産師さんからいただいたお答えをまとめてみました。

現代の妊産婦さんが抱える主な課題

  • 出産に向けた体力不足:日常生活での運動量の減少が原因。
  • 不妊治療やIVFの増加:治療で心身に負担を抱える妊産婦さんが増加。
  • 身体作りの不足:妊娠中の適切な準備が行き届いていないケースが多い。
  • 無痛分娩の増加:その背景で身体や出産準備の在り方が変化している。
  • 出血量が多い・貧血:産前産後に十分な栄養が取れていないことが要因に。
  • 精神疾患の増加:ストレス過多やサポート不足が影響。
  • 分娩時間の極端な変化:長すぎたり、短すぎたりすることが多い。
  • 陣痛の不発:誘発分娩を選ばざるを得ない場合も。
  • 食事の見直しができない:自分や赤ちゃんのために必要な食事を意識できない。
  • 自分優先の生活習慣:妊娠期でもライフスタイルを変えられない。
  • 産後の身体の回復が遅い:適切なケアや準備不足が影響。
  • 栄養をサプリメントで補おうとする:食事から摂る栄養が減少している。

現代のお産の現状

40年前と比較すると、28歳以上で初産を迎える割合が約2倍に増え、今や出産する方の約60%がこの年齢層に集中しています。

スムーズなお産が少なくなっている傾向も見られるそうです。

東洋医学では、28歳を女性の身体のピークと考え、その後は少しずつエネルギーが下がっていく時期とされています。

この「下り坂」のタイミングでお産を迎える現代女性たちは、社会進出によって経済的に豊かになった一方、身体面では課題を抱える場合が増えてきました。

産前・産後の身体作りの重要性

赤ちゃんの健やかな成長、そして自分自身の心身の健康を保つためには、産前・産後の身体作りが何よりも大切です。

忙しい現代だからこそ、少し立ち止まって、「お産のために身体を整える時間とお金」を投資してみてはいかがでしょうか?

健康で幸せなお産ができるよう、一緒に身体と心を整える第一歩を踏み出しましょう!

一度ご相談ください。

勉強会に参加された助産師さんのコメント

安定期に入ったら安産灸をしよう!!

安産灸とは?

安産灸は、安定期に入った妊婦さんの体調を整え、分娩をスムーズに進めるための伝統的な鍼灸療法です。古くから日本や中国で行われてきた方法で、妊婦さんの心身のバランスを調整し、出産に向けて健やかな体作りをサポートします。

安産灸の効果

1.体の冷えを改善

妊娠中は血液循環が変化し、冷えを感じやすくなることがあります。安産灸はツボを温めることで血流を促進し、冷えを改善する効果があります。

2.子宮の機能を整える

 鍼灸の刺激が骨盤周りの筋肉や子宮の働きを調和させ、分娩に適した状態を整えます。

3.リラックス効果

 妊娠期のストレスや不安を軽減するために、リラクゼーションを促します。これはホルモンバランスを整え、出産準備を助けるとされています。

4.陣痛を促しやすくする

 出産が近づいた時期に行う安産灸は、スムーズな陣痛の進行を促すと言われています。

5.赤ちゃんの健康を促進

赤ちゃんの胃腸が丈夫になり、リズム感が発達し、体が敏捷に動くと言われています。

分娩時間が短い

妊娠中に施灸した妊婦さんの分娩時間が短く、出血量も少ない傾向だと報告されています。

施術に使用する主なツボ

①三陰交(さんいんこう) 

足の内側にあり、女性の体調を整える「万能のツボ」とされています。子宮や骨盤周りの血流を促進します。

②合谷(ごうこく) 

手の甲にあるツボで、リラックスを促し、全身の気の巡りを改善します。

③足三里(あしさんり) 

脚に位置し、体力を高める効果が期待できます。

施術のタイミング

安産灸は妊娠16週目以降の安定期から行うことが推奨されます。施術は週に1~2回が一般的ですが、個々の体調に合わせて調整します。分娩予定日が近づいた際には、頻度を上げて施術を行うこともあります。当院ではお灸を購入してもらい、ご来院時に安産灸を施灸しています。

注意事項

  • 医師の承諾を得たうえで行ってください。
  • 刺激が強すぎないように注意し、体調が悪いときには施術を控えます。
  • 妊婦さんの個々の状態に合わせた安全な方法で行います。

参考文献

  • 日本東洋医学会の妊産婦ケアガイドライン 
  • 中国伝統医学による妊婦ケアの研究(J-STAGE等)
  • 出産準備教室 東洋医学を取り入れた妊婦さんの体づくりとセルフケア

お問い合わせ

ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
安産灸を通じて、母子ともに健やかな出産をサポートいたします。

妊活中の方へ。良好な卵子になるには180日間の生活習慣の改善が必要。

不妊治療の妊娠・出産確率

不妊治療を行えばすぐ妊娠できると思っていませんか?
6組に1組が不妊治療を受けています。不妊治療で妊娠し、出産する確率は25歳では20.9%、35歳では16.3%、45歳では0.6%です。想像していたより低いデータです。

良好な卵子は作りには180日必要

月経は28日周期です。次に出てくる卵子は元気に違いない!と思っている方は危険です。良好な卵子ができるまで時間はかかります。その期間は5ヶ月から6ヶ月。180日間かかります。良好な卵子になるには180日間の生活習慣の改善が必要です。

不妊治療をする前に生活習慣改善

卵子も細胞の1つです。身体が健康なら卵子も健康と言えます。
その反面、身体が疲れやすい。常にイライラしている。添加物や人工甘味料の多い食べ物を摂取している。運動不足、寝不足、喫煙、飲酒などは身体を不健康にします。不妊治療を始める前に生活習慣の改善を見直すことが必要です。

当院での不妊改善施術

鍼灸治療・栄養療法で身体づくりをサポート

鍼灸治療で、「気」「血」「水」の流れを整えます。
不妊改善施術のはりとお灸の目的は、卵子のアンチエイジングと骨盤内の血流増加です。卵子のアンチエイジングの効果は6ヶ月後。(原始細胞が成熟する期間が180日必要です。)骨盤内の血流改善は、施術直後から影響を与えます。

栄養療法で不足している栄養素を分析

血液検査データから不足している栄養を割り出し、必要な栄養素を食事とサプリメントから摂取してもらいます。特に身体作りに必要なタンパク質・鉄・ビタミンB,生殖機能に必要なビタミンEや亜鉛などの摂取をアドバイスします。

ストレス対策

ストレス過多では身体に力が入り、呼吸が浅い状態が続いています。身体で発生した活性酸素が卵子に悪影響を及ぼします。ストレス対策として細胞膜の抗酸化を行います。

ミトコンドリアの活性 

卵子のミトコンドリアは10万~20万個あるといわれており、(他の細胞は300~400個)卵子を元気にさせるには酸素が必要です。呼吸が浅いと細胞は酸欠状態になります。深い呼吸を心がけて下さい。

ストレスを感じているときは、体内からストレスを出すイメージで吐くことをおすすめします。あるいはその場を離れて、ゆっくり散歩するのも心を落ち着かれる方法になりますよ。

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