脊柱管狭窄症を予防・症状軽減する方法 その②

柔軟性・筋力を維持することで脊柱管狭窄症の予防と症状軽減に繋がる

脊柱管狭窄症は、脊柱管という場所が狭くなることで痛みやしびれなどさまざま症状が現れます。原因はさまざまですが、前回お伝えしたように、荷物を持ち上げる動作や持つ姿勢、イスや床に座る姿勢、立っている時の姿勢を意識して腰にかかる負担を軽減することで、予防や症状の軽減にも繋がっていきます。

今回も前回に引き続き、脊柱管狭窄症の予防と症状軽減についてです。今回のポイントは、「柔軟性と筋力の維持・向上」です。

負担の少ない動きや姿勢を保つためには、筋力や関節の柔軟性が必要になってきます。
加齢や生活環境・職場環境などによって体の使い方も変わり、筋力や柔軟性が乏しくなり、子供の頃には何も考えなくても出来ていた動きや姿勢保持も出来なくなってきます。

そのような状態が続いていると、脊柱管狭窄症になる可能性や、もう症状が出ている方は痛みやしびれが悪化する可能性が高くなってきます。

脊柱管狭窄症の予防や症状軽減に効果的なストレッチや筋力トレーニングをしよう

ストレッチは、硬くなった体の筋肉を緩め、関節の動きがスムーズに行えるようにすることと、狭まった神経の通り道を広げて神経の圧迫を和らげる目的で行い、筋力トレーニングは脊椎や姿勢を安定させるために必要な筋力(インナーマッスル)強化を目的に行います。

ストレッチや筋トレは痛みがあれば無理は禁物

ストレッチや筋力トレーニングを行う時に、痛みがある場合は無理に行わないようにしましょう。痛みを我慢して行うと、症状の悪化を招く可能性や他の部位を痛める原因にもなりますので無理は禁物です。痛みがなかったとしても、痛みが感じるまで強く筋肉を伸ばしたり、深く関節を曲げたりすることも禁物です。
また、姿勢が崩れたままストレッチや筋トレを行うと、伸ばしたい筋肉を伸ばせなかったり、ケガの原因にもなりますので姿勢は意識するようにしましょう。効果はすぐに現れるものではありませんので、出来るだけ毎日取り組むように心がけてください。

ドローイン

腹横筋を鍛えるトレーニング。腹横筋は腹筋群のインナーマッスルとして知られていて、体幹の安定性を高める働きがあり、姿勢保持には欠かせません。腹式呼吸で息を吐く時に最も働く筋肉です。

仰向けに寝転がり両膝を立てます。息を大きく吸って腹式呼吸を行います。

お腹を使って呼吸することを意識しましょう。

お腹をへこますように息を吐ききります。これを5回~10回繰り返します。

膝を抱えるストレッチ

仰向けになり両膝を抱え太ももを胸に引き寄せ10秒~15秒キープしましょう。
背中から腰、お尻の筋肉を伸ばします。神経の圧迫を広げる目的もあります。
5回~10回繰り返します。

四つん這いストレッチ

四つん這いの状態から手を置いた位置はそのままで、お尻をかかとに近づけるように膝を曲げていきます。

頭を下げて背中から腰を丸めるように伸ばします膝を抱えるストレッチと同様の効果があります。10秒~15秒キープしましょう。5回~10回繰り返します。呼吸は止めずに行いましょう。

胸椎回旋運動トレーニング

胸椎の動きが悪くなると、呼吸も浅くなり姿勢も悪くなります。また、頸椎(首)や腰椎(腰)への負担も増えてしまいます。回旋運動を行うことで呼吸筋や周辺の筋を緩め、呼吸の安定や姿勢改善、体感の安定を高める事に繋がります。

胸の前で腕を組み、深く息を吸って息を吐きながら左に体を捻ります。正面に戻す時に息を吸いながら戻します。また息を吐きながら右に体を捻ります。これを5回~10回繰り返します。

これらのストレッチや筋トレはすぐに効果が現れるものではありませんので、出来るだけ毎日継続して行うようにしましょう。何度も言いますが、痛みが強い時は無理は禁物です。